リハビリテーションサマリーって何を書けばいいの?
こんにちは。
先日Twitter上で「患者さんが急性期病院から回復期病院へ転院する際に作成するリハビリテーションサマリーに何を記載すればいいかわからない」という旨のツイートをしたところ、大変参考になるコメントを頂くことができました。
せっかく、いろいろなご意見を頂きたので、ツイートを引用しながらご紹介させていただこうと思います。
今回のきっかけとなったツイートがこちら。
『急性期病院勤務の理学療法士ですが、転院時のリハビリテーションサマリーに何を書けばいいかいつも悩みます。サマリーを受ける立場の方のご意見を教えて頂けると嬉しいです。こういう情報が欲しいとか、こんなサマリーがきて困ったという経験はおありでしょうか。よろしくお願いします。』
患者さんが転院する際にリハビリテーションサマリーを作ることが慣例になっていますが、僕が勤務する病院では書式はあるもののサマリー作成に関する決まり事がなく、記載内容は各スタッフに一存されている状態です。
作成したサマリーに関して、送り先の病院からのリアクションはほぼなく、サマリーがうまく書けているかどうか全くわからなかった。という理由から上記のツイートをしてみました。
同じような気持ちの急性期病院勤務の理学療法士もいらっしゃるようです。
全体像を把握して、転院時の介助量の参考にしたり、予後予測を行いながらその後のリハビリに活用していくという感じでしょうか。
僕は主な情報として評価内容を記載することが多かったのですが、どうやら機能評価よりも実際に何をしていたのかというプログラム内容が欲しいというご意見が多いようです。
転院前の機能評価は不要というご意見もありましたが、病棟ADLは転院時の介助量などを決める際に参考にされている方も多いようです。
また、リスク管理に関する記載が欲しいというご意見もありました。
以前、僕が担当していた患者さんも転院後に運動負荷が強すぎて心不全が増悪して緊急入院するという事案がありました。
転院後にも注意が必要なリスク管理については引き継いでおく必要がありますね。
予後予測に関する情報が欲しいというご意見も多数いただきました。
脳血管疾患の患者さんについてはNIHSSとFugl-Meyer Assessmentが欲しいという意見が多いようです。
必要な項目が抜け落ちないよう記載内容を決めてサマリーを作成している地域もあるそうです。
記載者の能力によるサマリーの内容の差を埋めるという意味でもサマリーに記載する項目をあらかじめ決めておく方法は有効だと感じました。
そして、既にサマリーについて問題意識を持って課題の解決に向けて取り組んでおられる方もいらっしゃいました。
疾患や身体機能に関する情報よりも、質的な情報が欲しいという結論に至ったとのことでした。
また、手術情報などの医学情報が欲しいというご意見がちらほら見られましたが、情報開示の手続きが必要になると思うので、理学療法士が記載するサマリーに添付するのは難しそうな気がします。。。
身体機能に関する情報だけでなく、メンタル的な内容についての情報が欲しいというご意見もありました。
また、サマリーの質に関するご指摘もいくつかいただきました。
読んでもらえないのは、きっと必要な情報がないかでしょうね...
また、こんなご指摘もいただきました。
自分がフォローできない範囲の内容について言及してしまうと、思わぬトラブルになる可能性もあるので、無責任な発言はしないように気をつけなければいけまんせんね。
急性期病院と回復期病院のリハスタッフの間でコミュニケーションをとる機会はほとんどないように思います。
お互いについて理解が深まればいいなと思います。
関連施設がある病院であれば、どんな情報が必要なのか意見交換の場が設けられていいですね。
たくさんのご意見を頂くことができて、大変勉強になりました。
まとめてみると、
・実施したリハビリプログラム
・予後予測に関わるような術前・発症時の状態
・リスク管理に関わる情報
・病棟ADLやできるADL
・患者や家族の疾患や障がいの受容
といった内容に需要があるとのことでした。
急性期病院の理学療法士としては、患者さんや家族が目指すゴール、病態や身体機能などを考慮して、今後の介入に必要となりそうな情報を選択してサマリーを作成するように心がけることが必要そうですね。
また、サマリーを受け取る立場の理学療法士は、どんな情報があればよりよい介入ができるのか、時には紹介元の理学療法士に伝えてみることも必要かもしれませんね。
リハビリテーションに関わる仲間として、もっと気軽にコミュニケーションをとれたらいいなと思いました。
先日Twitter上で「患者さんが急性期病院から回復期病院へ転院する際に作成するリハビリテーションサマリーに何を記載すればいいかわからない」という旨のツイートをしたところ、大変参考になるコメントを頂くことができました。
せっかく、いろいろなご意見を頂きたので、ツイートを引用しながらご紹介させていただこうと思います。
今回のきっかけとなったツイートがこちら。
『急性期病院勤務の理学療法士ですが、転院時のリハビリテーションサマリーに何を書けばいいかいつも悩みます。サマリーを受ける立場の方のご意見を教えて頂けると嬉しいです。こういう情報が欲しいとか、こんなサマリーがきて困ったという経験はおありでしょうか。よろしくお願いします。』
患者さんが転院する際にリハビリテーションサマリーを作ることが慣例になっていますが、僕が勤務する病院では書式はあるもののサマリー作成に関する決まり事がなく、記載内容は各スタッフに一存されている状態です。
作成したサマリーに関して、送り先の病院からのリアクションはほぼなく、サマリーがうまく書けているかどうか全くわからなかった。という理由から上記のツイートをしてみました。
同じような気持ちの急性期病院勤務の理学療法士もいらっしゃるようです。
『私も急性期ですが同じ悩み持ってます。参考にさせてください‼︎』
そして、こんな意見も頂きまして。。。
『わたしもいつも非常に悩みますし、返信が大変参考になります。
この返信をまとめたいですねー。』
いただいたご意見をまとめていこうと思います。
大まかなサマリーの利用目的と記載内容はこちらのコメントのようになるかと思います。
大まかなサマリーの利用目的と記載内容はこちらのコメントのようになるかと思います。
『1. FIM or 看護必要度
→全体像の把握
2. 高次脳機能評価
→初日のベッドサイドの環境設定
3. 嚥下状態
→初日の食事評価でかなり重要
4. 麻痺側運動機能評価
→急性期と回復期の経過から予後予測の教育に活用
→ヒューゲルマイヤーが望ましい』
僕は主な情報として評価内容を記載することが多かったのですが、どうやら機能評価よりも実際に何をしていたのかというプログラム内容が欲しいというご意見が多いようです。
『評価内容は時期で変わるのでやってた主なプログラムだけでいいと思ってるんですけどね、相手プロだし、わからなかったら電話すりゃいいし、どうせもう一回家族やら家屋のこと聞くだろうし。紹介状、看護サマリーで情報は伝わると思ってます。』
『評価内容(初期、最終)のみで具体的なプログラムが記載されていないサマリーには難渋しました…。対象者の方に、何やってましたか?と聞いても、意図がわからなかったり、「マッサージしかしてもらってません!」と言う方もいて、そんな訳ないだろうと。』
『急性期から回復期に行ってまた急性期で働いてますが、やはり予後予測するためにリハ開始からの経過が1番大切だと思います。転院直前の評価は初日介入しやすいのでいいとは思いますが、結局自分で評価するのでそこまで細かくいるのかなと思います。』
どんなことをして、どんな変化が起きて現在に至るのか。そんな情報が必要ということでしょうか。
また、病棟でのADLやリハビリ中の動作能力を参考にしたいというご意見もありました。
動作能力が実際のADLに汎化できていないことに関する理由の記載もある方が良いとのことでした。
また、病棟でのADLやリハビリ中の動作能力を参考にしたいというご意見もありました。
動作能力が実際のADLに汎化できていないことに関する理由の記載もある方が良いとのことでした。
『回復期の作業療法士です。よく感じるのは、移動手段がPTと看護サマリーで異なることが多い印象です。多くはPTさん記載の自立度が高いのですが、生活への汎化ができていない理由や経緯を簡単にでも記載があると、回復期入院時の看護やリハの支援計画立案が円滑になると感じています。』
『はじめまして、回復期の理学療法士です。
移動ADLの詳細:回復期入院初日のADLを設定する際に参考にします。車椅子の必要性や、見守りの有無など。その人のパーソナリティ。関わる上での注意点。急性期でどのような目標を立ててリハビリを進めていたのか?などが記載されていれば嬉しいです。』
『もちろん看護サマリーにADLは記載してあるのですが、PT視点のものも一文あれば参考になるなと思いまして!(訓練ではこのレベル、など)目標は、時期によって流動的なものなので難しいとは思いますが、患者さんにとっては転院直後という心身の疲弊や不安の大きい時期なので、』
転院前の機能評価は不要というご意見もありましたが、病棟ADLは転院時の介助量などを決める際に参考にされている方も多いようです。
また、リスク管理に関する記載が欲しいというご意見もありました。
『評価できたところまでの事実と経過だけで良いと思います。訓練に乗れなかったリスクや理由が書いてあると助かります。』
『急性期、回復期、生活期、通所訪問、特養を経て今は療養期PTです。初期と最終の比較は不要です。なぜなら自分で見ればわかるから。知りたいのは、回復過程。急性期にどんなリスク管理をして、どんな過程を経たのか。そこにどんな介入をしたかです』
『ただ、疾患や背景の特異的な面は記載があると助かります。疾病のコントロール具合(心不全や呼吸器疾患など)は、その方の日常生活の活動量の設定の参考になります。』
以前、僕が担当していた患者さんも転院後に運動負荷が強すぎて心不全が増悪して緊急入院するという事案がありました。
転院後にも注意が必要なリスク管理については引き継いでおく必要がありますね。
予後予測に関する情報が欲しいというご意見も多数いただきました。
『予後予測に役立つ評価と、プログラム内容を伝えて欲しいです。』
『脳卒中の場合は、発症時(72時間以内)と急性期退院前のNIHSSとFugl-Meyer Assessmentがあれば運動障害の予後予測にかなり有用なので回復期としてはとてもありがたいです。運動器の場合は発症前ADLと術式&侵襲の詳細(Drのサマリーにムラがあるため)があると助かります。』
『元となる論文はこちらです。
運動障害の回復直線に適合する人としない人がおられ、しない人はNIHSSとの関連があるそうです。最近このproprtional recoveryに批判的な報告もありますが、臨床上手軽に評価できるのでとても有用だと思います。』
必要な項目が抜け落ちないよう記載内容を決めてサマリーを作成している地域もあるそうです。
『地域連携パスの場合、Brsや、基本動作の到達日や能力レベル、他の機能評価(覚醒など)などかなり細かく設定されてます。そこに追加して各職種のパスがあり、かなり細かく網羅できるようになっています。』
記載者の能力によるサマリーの内容の差を埋めるという意味でもサマリーに記載する項目をあらかじめ決めておく方法は有効だと感じました。
そして、既にサマリーについて問題意識を持って課題の解決に向けて取り組んでおられる方もいらっしゃいました。
『数年前に、同様の課題意識を感じたことがあり、地域の療法士ネットワーク活動の一環として急性期・回復期・生活期の各施設でサマリーのフォーマットを作成しました。』
『議論の中で出た意見としては、
『FIMや検査測定結果はどうせ自分で評価するので不要。それよりも本人や家族の想いや経過の中で配慮してきたこと、話した内容など質的な情報が一番欲しい』というものでした。』
『また、介護施設からは「医学的情報が皆無となるのでX-Pやlaboデータが欲しい」でした。』
疾患や身体機能に関する情報よりも、質的な情報が欲しいという結論に至ったとのことでした。
また、手術情報などの医学情報が欲しいというご意見がちらほら見られましたが、情報開示の手続きが必要になると思うので、理学療法士が記載するサマリーに添付するのは難しそうな気がします。。。
身体機能に関する情報だけでなく、メンタル的な内容についての情報が欲しいというご意見もありました。
『回復期や療養型としては、疾患や障がいに対する本人や家族の受けとめ、受容の経過について書いていただけると有難いです。面談前に読ませていただき、初期の関わりを工夫でき、少しでも早く関係性を構築するのに役立つかと思います。』
また、サマリーの質に関するご指摘もいくつかいただきました。
『リハ職種で1枚ずつ作成してくれる病院のPTOTサマリーの機能評価の内容が違うと、そのサマリーの精度がかなり怪しいなと勘ぐってしまいます。その場合の生活状況記載等では大抵看護師の内容とも違うという。統一感があって信用できるものであればどんな内容でも有用だと思います。』
『現在回復期の理学療法士です。一番気になっているのは急性期最終評価時の能力と回復期入院時の初期との差が大きい場合が多いことですね。全身状態含めて転院直前の情報を正確にいただきたいです。』
評価したタイミングの違いで機能レベルに変化が生じると思いますが、職種ごとに同じことを評価しているのに内容が異なると相手に不信感を与えてしまうかもしれませんね。
患者さんの性格、キャラクターに関する記載が欲しいというご意見も。
患者さんの性格、キャラクターに関する記載が欲しいというご意見も。
『患者さんのキャラクターが書いてあるといいな〜と思います!』
高エネルギー外傷後で性格の変化が疑われる場合や認知症がある場合のように疾患による特徴を説明する場合でなければ、主観的な評価が入りやすい性格などの記載はちょっと気が引けてしまいます・・・
そして、こんな正直なご意見も!
そして、こんな正直なご意見も!
『回復期リハ病棟に勤務しつつ、外部で訪問リハをやっております。
リハサマリーって残念ながらみなさんが考えてるほど読み込みません。
なんとなく全体像が分かれば十分なので考えすぎなくていいと思います!』
『はじめまして。回復期病院で訪問リハに従事しています。こんなこと言うと身内から怒られますが、リハサマリーはさらっとしか読んでいないです。看護サマリーやケアマネさんがまとめたフェイスシートを読み込むことが多いかもしれません。
また、こんなご指摘もいただきました。
『患者さんに普段どんなリハをしていて、どんな説明をして送り出したのかが結構重要ですね。時折「回復期に行けば3時間もやってもらえるから治るよ」的な事を言ってくださるようで、こちらの事情もあり、6単位以下の時もある。治療方針があまりに急性期と異なると、患者は混乱するし、医療不信になる』
急性期病院と回復期病院のリハスタッフの間でコミュニケーションをとる機会はほとんどないように思います。
お互いについて理解が深まればいいなと思います。
『コメントありがとうございます。私は現在回復期勤務ですが、急性期で働いていました。お互いを知らないことで発生する不利益もあるように感じます。このような情報交換の機会があると発展的だと感じます。ありがとうございました。』
『弊法人で以前に急性期・回復期・通所・訪問スタッフが連携推進目的に集まった際は、動作の評価環境の情報、家族関係やキャラなどの情報のニーズが高かったです。個人的には動画を共有できるツールがあればなあ、と思っていますが。』
たくさんのご意見を頂くことができて、大変勉強になりました。
まとめてみると、
・実施したリハビリプログラム
・予後予測に関わるような術前・発症時の状態
・リスク管理に関わる情報
・病棟ADLやできるADL
・患者や家族の疾患や障がいの受容
といった内容に需要があるとのことでした。
急性期病院の理学療法士としては、患者さんや家族が目指すゴール、病態や身体機能などを考慮して、今後の介入に必要となりそうな情報を選択してサマリーを作成するように心がけることが必要そうですね。
また、サマリーを受け取る立場の理学療法士は、どんな情報があればよりよい介入ができるのか、時には紹介元の理学療法士に伝えてみることも必要かもしれませんね。
リハビリテーションに関わる仲間として、もっと気軽にコミュニケーションをとれたらいいなと思いました。
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